起業や海外赴任含めて、アメリカでビジネスをすることになった場合に、真っ先にやらなければならないことのリストに挙がってくることに、「ビザ取得」があります。
これだけ社会がグローバルになっている今日、「ビザ」という言葉は、海外に行ったことがない方でも、一度は耳にしている言葉だと思いますが、改めて「ビザっていったい何?」と聞かれると、はっきりと説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか?
本日は、アメリカでビジネスを行うことを前提に、少し基本に戻ったポイントから、ビザのお話をしたいと思います。
そもそも、ビザって何ですか?
渡航先の国に事前に申請して発行される、「渡航先からの入国許可証」のようなもので、「査証(さしょう)」とも呼ばれます。渡航先の国が、自国の安全のために渡航希望者を審査してから発行しますので、問題があると判断されれば拒否されることもあります。
パスポートは、渡航者の身分を証明するために渡航者の出身の国が発行するものですが、ビザは渡航先の国が発行します。
アメリカへの渡航に関するビザについて
日本人は、アメリカで労働に従事しなければ、ビザ無し(ビザウエーバー)で、90日間以内の滞在が許されています。2009年1月から、90日以内の観光などを目的とする外国籍の方は、米国国土安全保障省によって、ESTA(Electronic System for Travel Authorization)と呼ばれる「電子渡航認証制度」が義務化され、アメリカへ渡航するフライトに搭乗する前にESTA申請を済ませる必要が出てきました。申請料は$14でしたが、2022年5月26日から$21になりました。
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アメリカでの入国審査で提出する書類に、I-94フォームもありますが、こちらは自動化されていますので、特に何もする必要はありません。
I-94はアメリカでの出入国記録で、滞在できる日付が記載されています。昔はフォームがホッチキスでパスポートに留められていましたが、現在はデジタル化されているので、紙での発行はありません。
I-94の詳細は、オンラインでいつでも確認することが可能です。I-94の印刷が必要な場合は、オンラインでアクセスして出力することになります。
尚、滞在が90日を超える場合は、労働に従事しなくてもビザを取得する必要がありますので、ご注意ください。
アメリカでビジネスを行うとき
日本人がアメリカに来て、ビジネスを行うに際して最も重要なことの一つが、米国での移民のステータスです。アメリカで合法的に所得を得て働くには、労働が許されるビザが必要になります。
労働が許されるビザには、貿易ビザ(E-1)、投資ビザ(E-2)、転勤ビザ(L-1)、専門家ビザ(H-1)などがあります。Bビザは、6ヶ月以内の滞在でビジネス・観光などが目的の場合に適したビザですが、アメリカでの労働はできません。
申請条件や手続きに関しましては、種類によっても違ってきますので、また別の機会に説明したいと思います。
まとめ
ビザは、日本のアメリカ大使館で申請し取得することの方が多く、申請の途中で、何か問題があって引っかかると、実際の審査が終わるまでに数か月を要することもあります。
このような官公庁が絡む申請のお話だけではなく、アメリカのビジネス全般に言えることですが、何をするにもだいたい想定外の時間がかかりますし、サービスの質にびっくりすることが多いです。
くれぐれも日本で一般的に受けられるサービスの速さと質を基準にするのは厳禁です。アメリカでのビジネスの話がまとまったら、できるだけ早めに準備されることをお勧めします。特に、ビジネスの取引相手が日本人の場合、どこでビジネスしても、やはり日本人としての時間の感覚が求められてしまいますからね。
最後に、このブログで記載する法律に関連する内容に関しましてはすべて、米国移民法専門の堀隆幸弁護士にご確認いただいております。お含みおきください。
本日もブログをお読みいただきましてありがとうございました。