先日、こちらの記事で、ビザとはそもそも何かということと、その種類について、ざっくりとご説明いたしました。
その記事でもお伝えしました通り、アメリカのビザにはいろいろな種類があり、用途によって申請するビザが変わってきます。
内容が少し複雑になってきますので、ビザの種類とその特徴を、種類ごとに説明していこうと思います。
まず、今回は「Bビザ(訪問者ビザ)」についてです。
B ビザ(訪問者ビザ)とは?
Bビザはその目的で、「B-1ビザ」と「B-2ビザ」の2種類に分類されます。
B-1ビザは、商用が目的で訪問する際に取得するビザで、B-2ビザは、観光や友人親戚の訪問、病気の治療、社交団体の会議や集会に参加される際に取得するビザです。
1.B-1ビザについて
商用目的のB-1ビザは、アメリカを源泉とする給与、またはその他の報酬の受領を伴わない商用を目的とした人に対して発行されます。
アメリカで就労するには、就労を目的としたビザが必要になりますが、ここでの「商用」とは、「実際の労働以外の活動に従事する」という意味です。
例えば、販売者・技術者・講演者・講師・会議出席者・研究者に対して、投機的事業、研修、奉仕活動のような「アメリカでの就労を伴わない商用目的の渡米」の際に、発行されるものになります。
B-1ビザの具体例
もう少し具体的に説明していきます。
【販売者】
Bビザで許される販売活動としては、例えば、米国で開催される展示会のために渡米する人で、展示ブースの設営・サンプルの陳列・契約書の署名、日本で製作される製品の受注する場合などが該当します。
ただし、アメリカで製造されたものを実際に販売したり、受注することはできません。
【技術者】
Bビザで許される技術者の渡米は、日本の企業で販売されている機械・機器の設置、サービス、または修理などを行う目的の渡米で、それらが購買契約書に明記されている場合などが該当します。
これらの技術者は、サービスを提供しても、アメリカを源泉とする報酬を受け取ることはできません。
また、Bビザは、上述の商工業設備および機械の設営・運営・修理のために、アメリカ人の研修を行う目的で渡米する技術者にも該当します。
このような場合でも、報酬は日本の企業から支払われ、研修が行われることが売買契約書に明記されていなければなりません。
【講演者、講師】
講演の目的で渡米し、滞在に必要な経費を除いて、アメリカを源泉とする報酬を受けない場合も、Bビザが発行されます。
ただし、講演者・講師が必要経費以外に報酬を受領する場合でも、次の条件を満たせば、Bビザが該当します。
- 一つの団体、あるいは学会での活動が9日以内であること。
- 団体・学会は、非営利研修団体、政府の研究機関、高等教育機関、非営利組織の関連機関であること。
- 講演活動は、その団体または学会のために行われること。
- 講演者・講師は、過去6ヶ月間に、こうした4つ以上の団体・学会から報酬や手当てを受領していないこと。
Bビザは、科学・教育・ビジネスなどの会議やセミナーに出席するために渡米する場合にも該当し、報酬を受けなければ、会議やセミナーでの発表も認められます。渡米者が報酬を受領するのを許可されるとすると、上記の講演者・講師と同じ条件を満たす場合です。
【研究者】
個人で研究することが目的で、アメリカを源泉とする報酬を受けずに、研究結果が米国機関の利益にならない場合は、Bビザが該当します。
アメリカで報酬を受ける場合や、米国機関にとって研究結果が有益な場合は、Bビザの対象とはならないため、就労ビザが必要です。
【事業を行う者】
Bビザは、投資を伴う事業の予備調査や立ち上げのために渡米する人にも該当します。
Bビザは調査や立ち上げの段階での業務は許されますが、アメリカでの事業の運営はできません。実際に事業を運営する場合は、LやEなどの労働ビザが必要になります。
2.B-2ビザについて
B-2ビザは、商用以外の観光、友人や親戚訪問、病気の治療、友好または社交団体などの会議及び集会への参加、音楽、スポーツイベントへの参加などの際に発行されます。
B-2ビザの申請には、「アメリカ訪問は短期滞在であり、目的が終了すれば速やかにアメリカを離れ、本国へ帰国する意思があること」を、証明することが必要です。
その証明には、次のようなことが挙げられます。
- 米国外に放棄する意思のない、強いつながりがある居住地があること。
- 渡米は期限を定めた短期間のものであり、訪問目的の終了後は帰国すること。
- 渡米と帰国に要する費用をまかなうための十分な資金があること。
まとめ
いかがでしたか?
次回は、Eビザについてご説明いたします。
上記を含め、このブログで記載する法律に関連する内容に関しましてはすべて、米国移民法専門の堀隆幸弁護士にご確認いただいております。お含みおきください。
本日もブログをお読みいただきまして、ありがとうございました。
参考資料:米国移民局情報サイト、米国国務省情報サイト