I-94はアメリカに滞在するにあたって、とても大切な証明書のひとつなので、アメリカにビザで滞在してる方で知らない方はいらっしゃらないと思います。
が、I-94の有効期限とビザの有効期限が必ずしも一致しないということをご存知でしょうか？
今日は、I-94の概要と、失効した場合に起こりうる問題について、お話をしたいと思います。
I-94とは？
I-94とは、外国人がアメリカに入国する際に、出入国記録情報としてパスポートなどと共に入国審査官に提出する滞在資格や滞在期限の証明する書類です。
2013年からデジタル化されているので、現在は、入国する時に用紙の記入・提出の必要はありません。
I-94の内容は、以下に記すThe Department of Homeland SecurityのI-94 Web siteサイトより、オンラインで確認・取得ができます。
I-94の期限が過ぎるとどうなるの？
前項でも述べましたが、I-94は、アメリカでの滞在資格や滞在期限を証明するものです。
ビザはアメリカ入国の許可証であって、滞在資格を証明するものではありません。
そのため、I-94の期限が過ぎると「不法滞在」になります。
なぜ期限が過ぎていることに気がつかないの？
期限が過ぎていることに気がつかない大きな理由は、「ビザの有効期限とI-94の有効期限が同じとは限らない」ということです。
しかも、I-94の期限はビザの期限のようにわかりやすく記されていないんです。
というのは、前項で述べた通り、I-94のフォームがデジタル化されてからはペーパーレスのため、実際に紙のフォームがあるわけではありません。
パスポートにスタンプが押されて、そこに有効期限が手書きで書かれていたとしても、ビザと同じ見開きのページに記載されているとは限りません。
I-94はちゃんと見ようとしないと見えないところにあると意識して、随時確認することが必要になります。
I-94の有効期限について
I-94の期限は基本２年です。ビザの有効期限が５年間あっても、I-94の期限は５年ではありません。
ですから、期限が切れる前にアメリカを出国・再入国して、I -94の期限を更新する必要があります。
それだけではなく、実は、I-94の期限に関して、もっと大きな落とし穴があります。
それは、「パスポートの有効期限が２年を切っている場合、I-94はパスポートの有効期限が切れると、I-94の期限も切れてしまうこと」で、これが「うっかり失効」が起こってしまう原因です。
そもそも、有効なパスポートがないと、アメリカに入国はできません。そして、そのパスポートにI-94は紐づいています。
I-94の期限が2年ということを知っていても、このことを知らないと、だいぶ経ってから「気がついたらI-94の期限が過ぎていた！」という事態が起こってしまうというわけです。
まとめ
そういった状況に陥ることを避けるためにも、入国したらすぐにご自分のI-94ステータスの確認をされることをお勧めします。
前項でも述べましたが、I-94の情報は、オンラインでとても簡単に入手可能です。
ステータスの確認だけでなく、I-94の情報が正しく入力されているかなどの確認もできます。
ちょっとひと手間で、このようなトラブルに巻き込まれることを避けられるだけでなく、I-94の更新をするタイミングを事前にプランすることもできるようになります。
せっかくのアメリカ滞在、トラブルを避けて、できるだけ長く快適に過ごしたいですよね！
最後に、心ならずもこのような状況に陥ってしまった場合は、泣き寝入りはせず、専門家に相談してみてくださいね。
上記を含め、このブログで記載する法律に関連する内容に関しましてはすべて、米国移民専門の堀隆幸弁護士にご確認いただいております。お含みおきください。
本日もこのブログをお読みいただきまして、ありがとうございました。
参考資料：米国移民局情報サイト、米国国務省情報サイト
