アメリカはとても広い国で、単純に面積を比較すると、面積は日本の約25倍もあります。
それだけに、アメリカの州を取り巻く環境もそれぞれ違い、それぞれの州でいろいろな環境問題を抱えていますが、カリフォルニア州の大きな環境問題のひとつが、「干ばつ」だということはご存じでしょうか?
そして、今年も例にもれず、水不足が深刻なようです。
今年の水不足の状況
6/19付のEssential California (LA Timesのメルマガ)には、以下のように記載されていました。
Nearly 60% of the state is experiencing “extreme drought” conditions, according to the National Integrated Drought Information System. The Colorado River’s reservoirs have declined so far that major water cuts will be necessary next year. Last month, Gov. Gavin Newsom told the state’s largest urban water suppliers that if conservation efforts didn’t improve California might need to impose mandatory water restrictions.
06/16/2022 Essential California – How you can conserve water at home
「約60%のカリフォルニア州は、『極度な干ばつ』状態で、(水源のひとつである)コロラド川の貯水湖の貯水が極度に低い状態にあり、来年、大々的な水の使用制限が必要になるとみられています。先月、ギャビンニューサム州知事は、もし節水対策に十分な改善が見られない場合、カリフォルニア州政府が、州の水道会社に対して強制的な給水制限を課す必要がでてくるだろう、という見解を示しました。」という内容です。
カリフォルニアの水源と水不足の原因
サンフランシスコ、ロサンゼルスを含むカリフォルニア州の大都市は、海岸線沿いに位置しますが、水源は一部の山間部は内陸部に限られています。
カリフォルニア州の北端のシャスタ山系、北東のシエラネバダ山脈の雪解け水、雨水が主な水源です。
もう少し具体的に言うと、例えば、サンフランシスコやバークレーなどのベイエリアは主にヨセミテ国立公園の近くが水源地で、ロサンゼルスは、数百kmも離れた北カリフォルニアのサクラメント川やコロラド川などから水を確保しているといったところでしょうか。
干ばつの原因として考えられるのは、気候変動による低降水量・降雪量と気温の異常上昇、カリフォルニアの地下水の減少などによる環境の変化です。
上記に挙げた、コロラド川の貯水湖だけではなく、アメリカ西部でのダムや貯水湖はどんどん干上がってきています。
ロサンゼルスのインフラに関わる問題
ロサンゼルスに限って言うと、もともとはロサンゼルス川を水源としていましたが、1900年に入ってからの人口の急激な増加・農業の発達・干ばつによる影響などで、それでは間に合わなくなり、オウエンズ川やコロラド川などの遠いところからパイプラインを通して、お水を確保することになったとか。
コロナ禍で、ここ2年ほどはカリフォルニア州の人口は減少しているようですが、それでも、人口はまだアメリカの州の中で一番多く、約4千万人が住んでいます。
どんどん乾いていく土地の住人の生活に必要な水源を確保するのは、生活するためには必要不可欠ですが、簡単なことではありません。
環境問題解決のために、日々の生活の中で私たちにできること
実際に水使用量が一番多いのは、農業用水だそうです。
水を使わずに栽培ができる技術がいろいろと開発されており、水があまり必要がない作物に切り替えている農家さんも少なくないと聞きます。お米を作る農家さんも減ってきているそうです。
水使用量を比べると、農業と比べて少ない量であるとはいえ、日々の生活で、私たちが節水に協力できることはあります。
上記のEssential Californiaによると、①水漏れを直す、②芝生を”Water-wise”に使用できるものと置き換えること(人工芝などでしょうか。)、③Dish Washerは洗うお皿がいっぱいになるまで待ってから回すこと、④シャワーヘッドを節水効果があるものと替えること、などが挙げられています。
アメリカの環境を守るために
ロサンゼルスから北東に車で6時間ぐらいのところに、キャンプ場やスキー場があるMonmoth Lakesと呼ばれるエリアがあります。
ざっくり言うと、ヨセミテ国立公園からそんなに遠くないところです。人工雪も使っていますが、Monmoth Mountainのスキー場は、アメリカで一番遅くまでオープンしていることでも有名です。
今年の3月、Monmoth Mountainに数日間宿泊しました。アメリカ西部を襲っていた熱波のため、3月なのに5月のようなお天気が続き、雪が解ける時期ではないのにどんどん解けていて、とても心配になりました。
雪解け水は、ロサンゼルスで生活する私にとって、大切な水源だからです。
5月半ばに寒の戻りで降雪があった時に、またMonmoth Mountainへ。5月なのに、目の前に広がる銀世界。美しい環境の中で、ハラハラと舞う白い粉雪を見ているだけで癒されました。
過去には、アメリカの独立記念日(July 4th)の祝日に、スキーができたこともあったようですが、残念ながら、今年の寒の戻りは1週間ぐらい。あっという間に、5月の初夏のお天気に戻ったようです。
私たちが日々の生活を営んでいくためには、お水は必要不可欠です。
でも、そのインフラ整備のためにやむを得ず環境に手を加え、ダムを作ったりパイプラインを作ったりしたことで、結果的に生態系や環境を破壊することになったことも事実です。
「干ばつ」を含む環境破壊につながる気候変動の原因のひとつとして、車からの二酸化炭素排出による温暖化もあげられます。アメリカのほとんどのエリアは、車社会です。いろいろな策は講じられてはいるものの、頭が痛い問題だと言えます。
環境破壊を最小限にとどめながら、人々の生活の守っていくために、今後もいろいろな対策を講じていく必要があるわけですが、当然ながら、どこに重点を置くかで妥協のポイントが変わり、環境問題への対策が変わってくるわけです。
人間も自然環境の一部だということを忘れずに、環境にできるだけ優しい方法で、アメリカの美しい環境を守っていく方法があるといいなぁと、切に願ってやみません。
そして、歯を磨く時についつい出しっぱなしにしているお水を止めるなど、私は私の生活の中でできるアメリカの環境を守れることを、ちょっとでも続けていこうと思います。
本日もブログをお読みいただきましてありがとうございました。